少彦名命と神農さん、薬のまち道修町の小さな神社へ

少彦名命と神農さん、薬のまち道修町の小さな神社へ

🌊 大阪府の史跡

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少彦名命は国造りを終えたあと常世国へ渡ったとされ、別伝では粟の茎にはじかれて飛んで行ったともいう。一寸法師のモデルとも言われることがあるが、粟の茎ではじかれて飛んで行っちゃうくらいだから、実際は一寸(約3センチ)よりもさらにミニサイズだったのではないか、と思う。

小さくて可愛いイメージだけれど、超マルチなスキル持ちの神様。医薬・病気平癒の神、酒造りの神、温泉の神、まじないの神とガチで担当していた。大国主命と一緒に国造りまでした。そんな少彦名命が祀られている少彦名神社に行ってきた。なんと、江戸時代からの薬のまちである大阪・道修町のど真ん中にある。

「神農さん」の文字の下に、黄色い張り子の虎のお守り(昔のコレラ除け)の絵が描いてある看板が出ている。少彦名神社は、ビルに挟まれたその細い隙間にある。まるで隠れ家みたい。参道には「病気平癒・健康祈願」の文字が書かれた樹木を思わせる緑色の旗がたなびいている。

薬関係の会社の人の参拝が多いと聞くが、土曜日だったからか、観光客や外国人の姿が目立った。参拝者が多く、小さな境内と社の規模に見合わないほどの人気にビックリ。参道には一尺から六尺までの実際の高さが壁に記されており、少彦名命のサイズ、一寸の概念がなくても直観的にわかるようになっている。

参道には、「医薬総鎮守 少彦名神社に護られた家庭薬」と称した家庭の常備薬がガラスケースに収められ並んでいた。私の愛用品、龍角散があった!子どものころを思い出す昔懐かしい正露丸、キンカン、蚊取り線香やキンチョールなどの薬剤も並んでいる。父との思い出の仁丹もあった!

社殿の背後にも背の高いビルが建っている。ただそのビルは細いので三方向ビルに囲まれている谷間とはいえ、いい感じに明るく青空も見える。少彦名神社は緑色がウリみたい。紙垂がついた縄で幹を巻かれた御神木の周囲には、緑色の布(祈願布)に願い事を書いたものがズラッと二段になって結びつけられていた。

絵馬掛所には細かい字でびっしりと書き込まれた大量の絵馬もぶら下がっている。おみくじ結び場所にもおみくじが沢山結んであった。

張り子の黄色い虎の大きいのが3000円。その隣に「開運金虎守」と張り子の虎よりも大きく動きも見た目も猛獣感あふれ妙にリアルな金色の虎が3800円。値段の差があまり感じられない、これも実は張り子なのだろうか??

ちょっと高額なのが5000円から18000円で売られている水晶や翡翠で作られたブレスレット類。こういう石でつくったブレスレット2つ持っているんだけど、いざつけて外出すると、スピ系の人だ!って思われそうで1回やったらつけられなくなった。誰も気にしてないのに自意識で‥長袖で隠せる季節しか使えないって先日気づいた(笑)

少彦名神社の隣には、「くすりの道修町資料館」がある。が、この日は残念ながら休館だった。いつかリベンジ訪問したい。その入り口には、「開運金虎守」と同じ金色の虎の石像がいた。首に回した縄に長い紙垂をつけている。足元には本物の笹の葉。神農祭の時期には五葉笹に張り子の虎がついたお守り・神虎笹が授与される。

少彦名神社は、地元では神農さんって呼ばれ親しまれている。神農は自分の体で百草を試して薬効を確かめた古代中国の皇帝であり医薬と農業の神。道修町の薬種商たちは、もともと中国医薬の祖である神農を祀っていた。

江戸時代、安永9年に薬種中買仲間が日本薬(和薬)の安全と繁栄を願い、京都の五條天神社から少彦名命の分霊を勧請する。こうして、中国の薬祖・神農と、日本の薬の神・少彦名命が並んで祀られることになった。つまり、この神社では少彦名命のほうが後から合流した神様なのだ。

明治時代の神仏分離で、外国神(神農)を蕃神とみなす風潮があり、社名を日本神の少彦名神社にしたと言われている。でも長年親しんできた神農さん♪の愛称は消すことができず残り続けた。例祭も神農祭と呼ばれている。

少彦名命と神農が並んで祀られていること自体、日本史の縮図みたいだと思った。日本は昔から、大陸から来た知識や制度や技術を取り入れ、自分たち用に組み替えてきた。漢字も律令も医学もそうだ。だから「日本古来」だけを純粋培養みたいに語る言葉を見ると、少し笑ってしまう。

少彦名命、マルチタスクの日本の神ならばそろそろ再び登場して日本を救っても良いころ合いではないか?と、購入したお守りを眺めながら都合よく思った。

Googleマップ:少彦名神社
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