対向車が来ないことを祈りながら…細いくねくねした山道をどこまでも登っていく。のぼった先には、数台分の観光者用の無料駐車場がある。駐車場奥のフェンスの鉄棒の一部が不自然な感じで折れ曲がり変形している。誰かが車で誤って破壊した跡のようだ。

そこから200mほど歩くと、「世界遺産 熊野参詣道小辺路」と書かれた看板と石碑。そして、「世界遺産石碑前」という名称のバス停がある。あの細い道をバスも通っている、ということだ。バスは月曜日のみ運行で「奥果無」行が2本、「十津川温泉」行が2本だけ。

道路から左側に入ると、そこが世界遺産エリアである。一人しか通れない狭い小道が続いている。道端には可愛い花が咲き、木にもピンクや白や黄色の花が咲き誇っている。漫画日本昔話に出てくる古の風景みたい。小道の先にはいくつもの壮大な山々。

小道の両側には、古い小さな住宅が何軒かあり、人が住んでいる。眺めは絶景。下は山の崖、その上にある家の庭、テーブルと椅子がおかれてあった。この景色を眺めながらお茶したり読書したりしているのか~と贅沢で良い暮らしだなと思った。
しかし、救急医療は間に合わない。救急車では無理だ。この世界遺産エリア前の道路を挟んで一段上の所にある家には車が2台あった。しかし、世界遺産エリアの数軒の家には駐車場もない。そもそも人一人通れるだけの小道なので車で入ることが出来ない。Amazonで生活物資頼めるけれど、Amazonが出来るその前からここに住んでいる。どうやって暮らしているのだろう?小さな畑跡みたいのはあったけれど、ここの人たちの食料をまかなえるサイズとはとても思えない。

水を引き込んだ小さな生簀があった。生簀ではなく石で囲って造ったペット用の水槽なのかもしれない。丸々と太った大きな鯉が窮屈そうにいた。

古い石畳の細い道が山の下へと続いている。数軒の住宅が立ち並ぶエリアを越えるとそこはもう山の中、片側に荒々しい山肌、片側は崖。古の多くの巡礼者も歩いただろう味わい深い石畳。妙に味があって、古の時代にタイムスリップしたみたい。どこまでも歩いて行きたかった。でも夕方だったので、元来た道を引き返した。

この 熊野参詣道小辺路をくだっていくと下には十津川温泉がある。
帰り、十津川温泉の前を通ったら、”ふくおか商店”という十津川唯一のコンビニ的な店があった。最低限の生活はここで成り立つのだろう。世界遺産の小道が、果無集落に住む数軒の人たちにとって、これが日常の生活道路だとすると 、不便な地とは言え、とても贅沢だ。

しかし、果無集落には、相当な覚悟と諦観がないと住み続けることは出来ないだろう。なによりも医療のアクセスが最悪だ。この場所で体調を崩したらどうなるのか、それだけがずっと気になった。 数十年後にも果無集落に人はいるだろうか…

果無集落の写真一覧


























































































































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