明智藪――落ち武者狩りと、死にきれなかった光秀の伝説

明智藪――落ち武者狩りと、死にきれなかった光秀の伝説

🍁 京都府の史跡

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落ち武者狩りは、農民にとって数年分の稼ぎを一気に得る機会でもあった。鎧、兜、刀、馬。戦場から逃げてきた武士が身につけていたものは、どれも金に換えられる。大物の首を届ければ褒美が出る可能性もある。
命からがら逃げる武士にとっては地獄。だが、奪われる側だった人々にとっては、突然目の前に転がり込んできた“逆転の獲物”だったのかもしれない。

いつも威張りちらしていた偉そうな武士が悲惨な姿で命からがら逃げている。憎しみがわきあがってきたり憂さ晴らしみたいなところもあったのかもしれない。もしくは食料やらを得ようと乱暴するかもしれないし害獣駆除みたいな感覚だったのかもしれない。

山崎合戦で敗れ、勝龍寺城を脱出した光秀は、坂本城を目指して夜道を逃れた 。味方になるだろうと思っていた人も敵にまわり戦では惨敗、どんな思いだっただろうと想像すると胸が苦しくなる。

京都市の小栗栖の竹藪で、光秀は闇に隠れていた地元住民に竹槍で脇腹を刺され重傷を負い、自害した、と伝わる。一般には土民・農民による落ち武者狩りとされるが、付近の土豪・飯田一党の襲撃とする伝承もある。

家臣の溝尾茂朝は光秀の首を布に包んで竹藪に埋めた、とか坂本城まで持ち帰ったとか、また埋め隠された首を農民が見つけ出し恩賞狙いに出された、とか諸説ある。

明智藪とよばれている竹林は確かに身をひそめるには絶好の場所に思えた。明智藪と書かれた石碑前にはお酒や果物やお花のお供え物がおかれてあり、今も心寄せられているのを見て救われる思いがした。それか、祟りを恐れているからなのかもしれない。

光秀が脇腹から竹槍を引き抜いたとき、血と内臓(ワタ)があたりに飛び散った。その後、その周囲の竹からは、血の色の斑点や真っ赤な枝葉がついた血竹がたくさん生えてきたという。さらに、今でも竹が生えない「ワタ出」という名称の空き地が残されたままだということだ。雨の日には軍勢の雄たけびが聞こえる、馬の走る音がする、竹を切ると震えが止まらない、不意の怪我をするなどの祟り話であふれている。
以来、明智藪を所有する者は不幸になる、と言われるようになり本経寺に寄進されたという。

明智光秀が実際に討たれたといわれる場所、ここに行くにはちょっとばかり苦労した。どこまでが人の家の敷地内なのかどこからが道なのか判別しづらい通行人泣かせの場所を歩いて行かねばならない。人の家の敷地内で行き止まりかと思ったので数回周辺をうろちょろし、やっぱりここしかないじゃん!って確信して突き進んでいったら、ここ道なのか、とわかり、そして「光秀が討たれたといわれる場所」の木看板が立つ場所へたどり着くことが出来た。竹藪の中は暗い。

俗説では、光秀の首と称するものが秀吉のもとに複数届いたともいう 。旧暦六月、現在の暦なら七月初旬。腐敗も早かっただろう。どれも判別がつかない状態だったという。光秀の首と胴はのちに粟田口で晒され、斎藤利三(春日局の父親)も処刑後に同じく晒されたと記録されている。

祟り話が尽きない明智藪だが、嫌な感じはしなかった。全方位から追い詰められ数名と共に逃げる光秀を思うと悲しい気持ちになる。バカなことしたなぁ、考えが足りなかったなぁって後で思い悔やむことってあるよな。

竹藪から1.5kmほど北に、光秀の体を埋めたとされる「明智光秀の胴塚」がある。鉄のチェーンで入口をふさいである。根性で侵入したのだろうか、ペットボトルのお茶が1本置いてあった。車どおりが結構ある道路沿いにあるのだけれど、ここは何故かとても寂しい印象を受けた。

人生の最後の景色が、激痛だったり絶望だったり後悔だったりするのはあまりにも辛い。感謝と幸福感に包まれながら安らかに生を終えれるのはどんなに幸せなことなのだろうと思う。

光秀が実は生き延び、のちに南光坊天海になったという説がある。明智平の名、筆跡、比叡山の石灯籠、春日局との奇妙な逸話。根拠として語られるものはいくつもある。

ただ、私はその話を聞くたびに、少しだけ困る。もし光秀が生き延びたのなら、あの日、小栗栖で死んだことにされた誰かがいたことになる。
その誰かは、誰だったのか。
伝説は死者を救うような顔をして、ときどき別の死者を置き去りにする。

Googleマップ:明智藪+明智胴塚
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