東光山 隆興寺

東光山 隆興寺

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帯解寺から徒歩5分ほどの距離に、静かな場所に佇む「東光山 隆興寺」があります。この地域はかつて興福寺の領地に含まれており、隆興寺の隣には春日神社があります。春日神社は、徳川6代将軍家宣の時代に隆興寺の鎮護社として設立され、その歴史的背景を感じさせる場所です。

隆興寺は、時代を経て奈良市の徳融寺の末寺となり、薬師如来が御本尊として祀られています。平成6年には、弘法大師と薬師如来が祀られていた大師堂の場所に新しい本堂が再建され、さらに廃仏毀釈の際には近隣の寺院から阿弥陀如来像が避難して共に祀られることとなりました。

昭和21年からは、融通念仏宗の寺院として毎朝、西方に向かって十唱することが日課となり、その教えを守り続けています。この教えは、「自分」と「他人」の念仏が溶け合い、すべての人の功徳となるというもので、現代の自己中心的な風潮とは対極にあります。融通念仏の教えに触れると、人間本来の優しさと深い絆を感じ、心から感動します。

ここは本当に小さな境内ですが、その小ささが逆に歴史の重みを感じさせます。弘法大師の霊場として知られたこの地に、静けさと歴史の深さを感じながら立つと、時を超えた繋がりを実感することができます。


広大寺池と龍伝説

東光山隆興寺から徒歩圏内には、広大寺池という大きな池があります。伝説によれば、聖徳太子がこの池を作ったとされています。また、奈良には数多くの龍伝説が残されていますが、広大寺池にも暴れる龍が住んでいたという話があります。弘法大師がその龍を治めたという伝説は、今も地元で語り継がれています。

毎年1月21日には、弘法大師を供養する「初大師」という法要が行われ、多くの参拝者が訪れます。この日には、弘法大師の偉業を讃え、その精神を偲ぶために多くの人々が集まります。


不思議な龍の物語

さらに、この広大寺池には、江戸時代の百拙和尚が目撃したとされる、不思議な龍の伝説があります。百拙和尚は、天井に描かれた龍のヒゲが何日も濡れているのに気づき、ある夜その龍が広大寺池で水を飲んでいるところを目撃しました。この龍は喉が渇いていたため、夜中に静かに池へ水を飲みに行っていたのです。しかし、和尚がその龍の眼に釘を打ち、うろこを塗りつぶしたため、龍は動かなくなったという話です。このエピソードには、人間の強さと同時に無慈悲さを感じずにはいられません。龍の気の毒な姿が思い浮かび、少し心が痛みます。


隆興寺と帯解寺の行列

毎年7月23日と24日に行われる「帯解子安地蔵大会式」では、隆興寺を出発点として帯解寺までの行列が練り歩きます。この行列には、僧侶や雅楽隊、平安時代の装束を着た信徒たちが参加し、雅楽の美しい音色に包まれた行進は一見の価値があります。行列の最後には、なんと30メートルの紅白の安産腹帯が運ばれ、帯解寺に到着した後に御本尊様にお供えされます。このイベントは、毎年23日だけの特別なものです。

祭りの間、帯解寺周辺の通りには屋台が並び、賑やかな雰囲気に包まれます。まるで時を超えた平安時代に迷い込んだような、壮大な光景です。


隆興寺と帯解寺は近隣に位置しており、歩いて数分の距離です。下記の地図を参照し、歴史的な場所への訪問を楽しんでください。

Googleマップ:隆興寺

隆興寺と帯解寺を訪れることで、奈良の歴史の一端を感じ、過去と現在を繋ぐ時空を超えた旅ができるでしょう。静けさと歴史の重みを感じながら、心に深い感動を残すひとときを過ごしてみてください。


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木津者(きづもの)と申します。
奈良と京都の境目あたりを、ふらり歩いては史跡に耳をすませる日々。真面目に、でもちょっとだけゆるく。忘れられかけた風景や物語を、やさしく拾って紹介しています。

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