トンネルを抜け2車線道路の右端にある小さな空き地に車を停める。道を渡りガードレールの先には北上川。その向こう岸には山、その麓に小さな陸の孤島。
そこは、Googleマップで「百夜月」とピン留めされている場所。家が一軒見える。土地の手入れはなされてあり、こぎれいにまとまっている。
Googleマップにあったから取敢えず眺めてみたもののこれが一体なんなのか‥…まったくもって意味不明。

唯一ラッキーだったのは、車を停めた側の山肌に野生のお猿さんが2匹座ってこっちを見ていたこと。道路を渡ろうと足を踏み出したら、お猿さん達は山の上の方に登って木の陰に隠れた。
さて、果たしてこの百夜月とは一体なんなのだろう。鮫島事件のようなものか?と思った。Googleマップなんて、誰でも適当に名前を置ける。 百夜月というまるで鮫島事件みたいなものにあのGoogleさんが乗っかった? 触れてはいけない禁忌の場所名なのだろうか…背筋がゾワッと寒くなる。百夜月という名前からして不気味な感じに思えた。

陸の孤島・百夜月へは車や徒歩では行くことが出来ない。船が必要である。三重県側の山を越えるという手もあるがなかなかの難所すぎてほぼほぼ不可能だ。なんでそんなところに家があるんだ。住む場所じゃないだろ、あれは。ちょっと不気味な気分のまま帰宅した。
後々、百夜月の噂を耳にした。百夜月には、昔、10数件の集落と尼寺があったらしい。百夜月と呼ばれるようになったのは、美人な尼さんと月の話が由来だというが、どこまでが本当なのかはよく分からない。

尼さんが近隣の村々に贈った花瓶、九重の重箱、竹の筒。3つの村名はそれぞれ花井、九重、竹筒となった。
たかが尼さんからもらった物なのにそれを村名にする??
当時の寺の人間は、今でいう“上級国民”みたいなものだ。血筋も知識も別格だった。
無人の百夜月の手入れが行き届いていて綺麗なのは、船で管理に通う人がいるからだという。理由を聞けば納得はできる。できるけれど——
あの場所の空気だけは、どうにも説明がつかないままだった。

百夜月の写真一覧





















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