車一台がようやく通れるグネグネ道。対向車が来たら終わりだなと思いながら走る。逃げ場はあるにはあるが、あれを使う状況になったらたぶん気まずい。対向車がこないことを祈りながら走る。
道の途中、山肌の岩の隙間に小さな小さな祠と「玉置龍神水」の立札。名前だけやたら格好いい。山から流れてくる水が確かにそれっぽく流れている。その隣には「亀岩白龍大権現」の立札。注連縄が飾られた岩、小さな鳥居と祠がある。惜しい、あまりにも狭すぎる道路、横目に通り過ぎるしかない。

雨上がりの山から白い湯気が上がっていた。空は分厚い灰色の雲。いかにも何か出そうな雰囲気のまま、瀞峡・瀞八丁の駐車場に着く。広々とした駐車場だが車は一台もない。
瀞峡は国の特別名勝らしいが、この日は人影すらなかった。3月末のこの日は完全に貸切状態。

河辺へと降りる階段の断崖絶壁の端上に、瀞ホテルと書かれた看板がある。 築100年以上の元旅館を改装したカフェ。建物は県指定有形文化財らしい。予約推奨の人気スポットとの事なので、人が誰もいない今は入店チャンスなのかもしれない。しかし、建物は壊れそうなほど古く、しかも崖の上にある。静かで落ち着いているとも言えるが、どうにも入りづらくてスルーした。
階段の途中には、数台のSUP(スタンドアップパドルボート)が立てかけられていた。川岸には一艘の舟が水に浸かっている。乗る人はいない。SUPで足を川の水に浸けるなどは川に棲む微生物を思うと私にはとてもできない芸当だ。

峡谷は確かに美しかった。エメラルドグリーンの水に、両側から迫る崖。霧がかかっていて、水墨画のような景色だった。だがそれ故にどこか寂しくてちょっと不気味でもある。舟で峡谷周遊、どこか違う世界に連れていかれそうでちょっと怖い。

ここは和歌山県・奈良県・三重県の三県境らしいが、そんなことより印象に残ったのはバスの少なさだった。1日に朝7時台と8時台に2便のみ。しかも日祝運休。来るのも帰るのも簡単ではない。
綺麗な場所だった。だけど個人的には、こういう場所は下から見るよりも、上から全体を眺めた方が好きだと思った。

瀞峡・瀞八丁の写真一覧































































































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